特別受益(生前贈与)の評価額は、原則として「相続開始時(被相続人が亡くなった時)」の時価を基準とします。
「贈与を受けた時」の価格ではありません。これは、過去に贈与を受けた人と、今回遺産を受け取る人との間で、実質的な価値の公平さを保つためのルールです。 ただし、財産の種類(現金か不動産か)や、その後の事情によって計算方法が複雑になる場合があります。
不動産
不動産や株式は、価格変動が激しいため、必ず「亡くなった時点の時価」で評価し直します。贈与時より値上がりしていれば、高い価格で評価されます。 よくある質問で、「贈与された家をすでに売ってしまった」「火事で燃えてしまった」というケースがあります。 この場合でも、「もし現在もその不動産を持っていたとしたら、今の時価でいくらか」と仮定して計算します(受取人の責任でなくなった場合)。「もう手元にないから評価額はゼロ」という主張は通りませんのでご注意ください。
現金の贈与
現金(金銭)の場合、原則は贈与された金額そのもの(額面)を基準にします。しかし、贈与の時期が古い場合は修正が必要です。 昭和の時代の「100万円」と、現在の「100万円」では、お金の価値(購買力)が全く異なるからです。 そのため、裁判実務では、贈与時から相続開始時までの「消費者物価指数(CPI)」などの変動率を用いて、現在の価値に換算して評価するケースがあります。昔の贈与だからといって、額面通り安く評価されるとは限りません。
是非弁護士にご相談ください
特別受益の計算は、単なる引き算ではなく、「いつの時点の」「どの指標を使うか」という専門的な判断の連続です。 「過去の贈与を現在の価値に直すといくらになるのか」「相手方の主張する評価額が適正か」など、正確な見通しを立てるために、まずは計算のプロである弁護士にご相談ください。


