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特別受益と寄与分

公開日:2026.01.15
最終更新日:2026.02.02

遺産分割がスムーズに進まず、相続人同士で揉めてしまう典型的なケースとしては、「遺留分」の問題に加えて、「特別受益」や「寄与分」をめぐる争いが挙げられます。

これらは複雑になりがちなトラブルであり、当事者同士の主張が対立しやすいため、遺産分割の話し合いが長期化する大きな要因となります。こうした場合には、できるだけ早い段階で専門家に相談し、冷静かつ適切な対応を取ることが重要です。

特別受益とは

特別受益とは、遺贈のほか、婚姻や養子縁組のため、または生計の資本として、被相続人から特定の相続人に贈与された財貨のことです。
例えば、相続人のうちの1人が生前に自宅の建築資金を出してもらった、結婚の際に持参金をもらった、などです。
このような場合、これを相続財産の前渡しと見なして、特別受益を受けた相続人の相続分を特別受益の分だけ減らすことで、相続人間の公平を図ることが認められています。

相続分を計算する際には、実際の遺産額に特別受益分を加えた「みなし遺産(みなし財産)」を基準にします。
つまり、特別受益を受けた分を遺産に加えて全体の相続財産を算定し、その中で各相続人の相続分を決めた上で、特別受益分を控除する計算を行います。

みなし遺産算定例

被相続人の遺産が1億円で、相続人が兄弟2人であり、兄だけが生前に2000万円の贈与を受けていた場合、

みなし遺産 = 遺産:1億円+2000万円(兄の特別受益) = 1億2000万円
兄の相続分:1億2000万円 × 1/2 – 2000万円 = 4000万円
弟の相続分:1億2000万円 × 1/2          =6000万円
となります。

特別受益とみなされる可能性がある事例

 

上記のようなことがもし事実としてある場合、特別受益とみなされる場合があります。
尚、特別受益の対象となるのは、以下の通りです。
①遺贈されたもの
②婚姻や養子縁組のために贈与されたもの
婚姻の際の持参金などが含まれます。挙式費用などは一般的には認められません。
③生計の資本としての贈与
住宅購入資金、開業資金、事業資金など。

どのような場合に特別受益が認められるのかは微妙な判断ですので、納得が出来ない点やご不安な点がある場合、特別受益を巡って、他の相続人と揉めそうな場合は、弁護士にご相談ください。

寄与分とは

寄与分とは、相続人の中で、被相続人の財産形成または維持に特別の寄与をした者に、この特別の寄与を考慮し、この者に対して特別に与えられる相続財産への持分のことをいい、実質的な公平を図る制度です。

相続分の計算にあたっては、寄与分を控除した「みなし遺産(みなし相続財産)」を基準とし、その財産に応じて相続分を決定します。
つまり、遺産総額から寄与分を差し引いた額を全体の相続財産とみなし、その上で寄与した相続人に寄与分を加算して相続分を算定します。

みなし遺産算定例

被相続人の遺産が1億円で、相続人が兄弟2人であり、兄が家業を手伝って、被相続人の財産形成に2000万円の寄与があった場合、

みなし遺産 = 遺産:1億円-2000万円(兄の寄与分) = 8000万円
兄の相続分:8000万円 × 1/2 + 2000万円 = 6000万円
弟の相続分:8000万円 × 1/2          = 4000万円
となります。

寄与分とみなされる可能性がある事例

このような場合は、寄与分が認められる可能性がありますので、弁護士にご相談ください。

どのような場合に寄与分が認められるのかは微妙な判断ですので、納得が出来ない点やご不安な点がある場合、寄与分を巡って、他の相続人と揉めそうな場合は、弁護士にご相談ください。

尚、寄与分が認められるのは、法定相続人に限られます。例えば、息子の妻が被相続人の生活費を補填したというような場合には、残念ながら寄与分を主張することはできません。
ただし、息子の妻など被相続人の親族が療養看護等により「特別の寄与」をした場合には、その寄与に応じた額の金銭の支払いを請求できる場合があります。

なお、特別寄与料の請求期限は特別寄与者が相続の開始および相続人を知ったときから6か月を経過するまで、または相続開始のときから1年を経過するまでと定められております。

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お早目に弁護士に相談いただくことで、相続や遺産分割問題について、あなたのご希望に可能な限り応えられる解決を実現する可能性が高まります。
また、遺産分割協議の段階で弁護士に交渉をご依頼いただくことで、比較的短期間で解決に進められる可能性が高まり、あなたの貴重な時間が奪われずに済み、またご家族・ご親族間の関係性も悪化させずに済むことが多いです。
上記のような理由から、「遺産分割協議が進まないな」「自分が進めたい遺産相続が進められなさそうだな」と少しでも思ったタイミングで弁護士への相続の相談をおすすめしております。

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