- 公開日:2026.01.15
- 最終更新日:2026.07.27
相続が発生すると、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金、未払い金、保証債務、管理が難しい不動産などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。
「亡くなった親に借金があるかもしれない」
「相続財産より負債の方が多そう」
「遠方の空き家や管理できない不動産を相続したくない」
「債権者から請求書が届いたが、どうすればよいか分からない」
このような場合に検討する手続きが、相続放棄です。
相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとして扱われ、亡くなった方の財産や借金を引き継がないことになります。
ただし、相続放棄には期限があり、手続きも家庭裁判所で行う必要があります。また、相続財産を処分してしまうと、相続を承認したとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性もあります。
相続放棄を検討している方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
目次
このようなお悩みはありませんか?
- 亡くなった親に借金があることが分かった
- 債権者やカード会社から請求書・督促状が届いた
- 相続財産の全体像が分からない
- 預貯金よりも借金の方が多いかもしれない
- 管理できない空き家や山林を相続したくない
- 兄弟の一人が相続放棄をしたため、自分が相続人になると言われた
- 亡くなってから3か月が経過してしまった
- 相続放棄したいが、何をしてよくて何をしてはいけないか分からない
- 家族全員で相続放棄すべきか迷っている
このような場合は、相続放棄が必要かどうか、早めに確認することが大切です。
相続放棄とは
相続放棄とは、亡くなった方の財産や負債を一切引き継がないための手続きです。
相続では、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金、未払いの税金、ローン、保証債務などのマイナスの財産も相続の対象になります。
相続放棄をすると、その相続については初めから相続人ではなかったものとして扱われます。
そのため、相続放棄が認められれば、原則として亡くなった方の借金を支払う必要はありません。一方で、預貯金や不動産などのプラスの財産も受け取ることはできなくなります。
相続放棄は、「財産はいらない」と他の相続人に伝えるだけでは足りません。家庭裁判所に対して、相続放棄の申述を行う必要があります。
相続放棄には3か月の期限があります
相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に行う必要があります。
この期間内に、相続財産の内容を確認し、相続するのか、相続放棄するのかを判断しなければなりません。
ただし、財産調査に時間がかかる場合や、借金の有無がすぐに分からない場合もあります。そのようなときは、家庭裁判所に対して期間の伸長を申し立てることを検討します。
「3か月あるから大丈夫」と思っていると、戸籍の取得、財産調査、必要書類の準備に時間がかかり、期限が迫ってしまうことがあります。
相続放棄を検討している場合は、できるだけ早めに動き出すことが重要です。
相続放棄を検討した方がよいケース
借金や未払い金が多い場合
亡くなった方に借金、カードローン、事業上の負債、未払い税金などがある場合、相続人がその支払いを求められることがあります。
プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は、相続放棄を検討する必要があります。
財産内容が分からない場合
亡くなった方の財産や借金の全体像が分からない場合も注意が必要です。
預貯金が少なく、後から借金が見つかるケースもあります。債権者から通知が届いて初めて借金を知ることもあります。
このような場合は、財産調査を行ったうえで、相続放棄すべきかを検討します。
管理できない不動産がある場合
相続財産に遠方の空き家、山林、老朽化した建物、売却が難しい土地などが含まれている場合も、相続放棄を検討することがあります。
不動産は、所有しているだけで固定資産税や管理責任が発生することがあります。売却できない不動産を相続すると、将来的な負担になる可能性があります。
ただし、不動産だけを放棄して、預貯金だけを相続することはできません。相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も含めて、すべて相続しないという手続きです。
後順位の相続人になる可能性がある場合
相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったものとして扱われます。
その結果、次の順位の人が相続人になることがあります。
たとえば、亡くなった方の子どもが全員相続放棄をすると、次に親、さらに兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。
自分だけが相続放棄すれば終わりではなく、他の親族に影響することがあるため、家族全体で対応を検討することが大切です。
相続放棄をする前に注意すべきこと
相続放棄を検討している場合、相続財産を処分しないよう注意が必要です。
たとえば、次のような行動には注意が必要です。
- 亡くなった方の預貯金を引き出して使う
- 不動産や車を売却する
- 相続財産を自分のものとして処分する
- 高価な遺品を持ち帰って処分する
- 借金の一部を相続人として支払う
- 遺産分割協議書に署名・押印する
これらの行動によって、相続を承認したものと扱われ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。
一方で、葬儀費用の支払い、遺品整理、財産の保存行為など、どこまで行ってよいか判断が難しい場面もあります。
相続放棄を考えている場合は、自己判断で財産を動かす前に、専門家へ相談することをおすすめします。
相続放棄の流れ
相続放棄は、一般的に次のような流れで進みます。
1. 相続人・財産状況の確認
まず、誰が相続人になるのか、相続財産にどのようなものがあるのかを確認します。
借金や未払い金がある場合は、債権者からの通知、契約書、請求書、通帳の履歴などを確認します。
2. 必要書類の準備
相続放棄には、相続放棄申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本などが必要になります。
相続人の立場によって、追加で必要となる戸籍書類が異なります。
3. 家庭裁判所へ申述
必要書類を準備し、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ相続放棄の申述を行います。
4. 家庭裁判所からの照会への回答
家庭裁判所から、相続放棄の意思や事情について確認するための照会書が届くことがあります。
内容を確認し、期限内に回答します。
5. 相続放棄申述受理通知書の受領
家庭裁判所で相続放棄が受理されると、相続放棄申述受理通知書が届きます。
債権者から請求を受けている場合は、相続放棄が受理されたことを伝えるために、必要に応じて相続放棄申述受理証明書を取得することもあります。
弁護士に相談した方がよいケース
相続放棄は、ご自身で手続きを進めることもできます。
ただし、次のような場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
- 3か月の期限が迫っている
- すでに3か月を過ぎている
- 借金の金額や債権者が分からない
- 相続財産を一部使ってしまった可能性がある
- 債権者から督促や訴訟の通知が届いている
- 不動産や事業上の負債が絡んでいる
- 家族全員で相続放棄すべきか判断したい
- 後順位の相続人への影響を整理したい
- 相続放棄と限定承認のどちらがよいか迷っている
相続放棄は、一度受理されると簡単に撤回できるものではありません。
また、放棄すべきかどうかの判断には、財産調査、借金の確認、不動産の価値、親族関係などを総合的に見る必要があります。
不安がある場合は、早めに弁護士へ相談することで、期限や手続き上のリスクを整理できます。
よくある質問
Q. 相続放棄は、他の相続人に伝えるだけでできますか?
いいえ。相続放棄は、家庭裁判所に申述する必要があります。
「自分は財産をいらない」と他の相続人に伝えたり、遺産分割協議書で取得分をゼロにしたりするだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。
Q. 相続放棄をすれば、借金を支払わなくてよくなりますか?
相続放棄が認められれば、原則として亡くなった方の借金を引き継ぐ必要はありません。
ただし、相続財産を処分していた場合などは、相続放棄の有効性が問題になることがあります。
Q. 亡くなってから3か月を過ぎたら、もう相続放棄できませんか?
原則として、相続放棄は相続の開始を知った時から3か月以内に行う必要があります。
ただし、事情によっては、3か月を過ぎていても相続放棄が認められる可能性があります。債権者からの通知で初めて借金を知った場合などは、早めに弁護士へ相談してください。
Q. 相続放棄をすると、生命保険金も受け取れませんか?
生命保険金は、受取人が指定されている場合、原則として受取人固有の財産として扱われることがあります。
ただし、保険契約の内容や税務上の扱いによって確認が必要です。相続放棄を検討している場合は、保険金の受け取りについても専門家に確認することをおすすめします。
Q. 家族全員で相続放棄した方がよいですか?
ケースによります。
先順位の相続人が相続放棄をすると、後順位の親族が相続人になることがあります。借金が多い場合などは、親族全体で誰が相続人になるのかを確認しながら対応する必要があります。
相続放棄は早めの判断が大切です
相続放棄は、借金や不要な不動産を引き継がないための重要な手続きです。
一方で、期限が短く、財産を処分してしまうと手続きに影響する可能性もあります。
「借金があるかもしれない」
「相続財産の内容が分からない」
「相続放棄すべきか判断できない」
「3か月の期限が迫っている」
このような場合は、早めに弁護士へご相談ください。
弁護士法人プレシャス総合法律会計事務所では、相続放棄の手続きだけでなく、相続財産の確認、債権者対応、後順位相続人への影響、相続税や不動産の問題も含めて、相続に関するご相談をサポートしています。
東京・新宿・四谷で相続放棄についてお悩みの方は、当事務所へご相談ください。
初回60分相談無料
東京・新宿・四谷で相続放棄・相続問題のご相談なら、弁護士法人プレシャス総合法律会計事務所へ。


