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相続財産・相続人調査

公開日:2026.01.15
最終更新日:2026.07.27

相続手続きをスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。遺産分割協議を始める前に、必ず行わなければならないのが「相続人調査」と「相続財産調査」です。

手続きの根幹を支える調査を曖昧にしたまま話を進めてしまうと、後から予期せぬ問題が発生し、話し合いがやり直しになってしまうおそれがあります。ここでは、2つの調査が最優先される理由や具体手順、怠った場合のリスクについて分かりやすく説明します。

「相続人調査」と「相続財産調査」が最優先な理由とは

相続が発生した際、何から手を付けるべきか迷う方も多いでしょう。最も優先すべき作業が「誰が相続人なのか(相続人調査)」と「何がどれだけ遺されているのか(相続財産調査)」を正確に把握することです。

遺産分割協議は、法定相続人全員が参加して行わなければ無効になります。もし一人でも欠けた状態で協議をまとめ、遺産分割協議書を作成したとしても、その協議書は法律上の効力を持ちません。また、全体の財産額が分からない状態では、公平な分け方を議論すること自体が不可能です。

さらに、相続の開始を知った日から3ヶ月以内という短い期間で、相続放棄や限定承認を行うかどうかを判断しなければなりません。プラスの財産だけでなく借金等のマイナスの財産を含めた全体の概要を早急に把握することが求められます。

このように、すべての手続きを正しく、かつ制限時間内に完了させるための土台となるため、この2つの調査が最優先されます。

相続人調査の具体的な流れとは

相続人を確定させる作業は、身内の記憶や認識だけで判断せず、公的な公文書に基づいて証明していく必要があります。具体的な手順は次の通りです。

戸籍謄本の連続取得

まずは、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡に至るまでのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を取得します。

人の戸籍は、結婚や転籍、法改正による様式変更などに伴い、生涯の中で何度か新しく作り直されます。出生まで過去に遡ってすべての戸籍を読み解くことで、隠れた相続人(前妻との間の子、認知した子、養子など)が存在しないかを漏れなく確認できます。

被相続人の戸籍が揃ったら、次は発覚した相続人全員の現在戸籍を取得し、存命であることを確認します。

相続関係説明図の作成

戸籍謄本が揃ったら、被相続人と相続人の関係性を一枚の図にまとめた「相続関係説明図」を作成します。

この図面は、家系図のような形式で親族関係を分かりやすく視覚化したものです。後に法務局で不動産の名義変更(相続登記)を行ったり、金融機関で口座解約の手続きをしたりする際に、戸籍のセットと一緒に提出することで手続きが円滑に進みます。

相続人調査を弁護士に依頼するメリット

戸籍謄本の取得は、被相続人の本籍地がある市区町村役場へ請求します。本籍地を何度も変更している場合や遠方にある場合は、全国各地の役所に郵送請求を繰り返す必要があり、非常に手間と時間がかかります。古い手書きの戸籍(明治・大正・昭和初期など)は文字を読み解くこと自体が難しく、専門知識がないと解読ミスが生じることもあります。

弁護士に依頼すれば、職務上請求という権限を活用してスムーズに必要な戸籍類を収集できます。解読漏れを防ぎ、正確な相続関係説明図を迅速に作成してもらえる点が大きな価値となります。

 相続財産調査の具体的な流れとは

相続人が確定したら、並行して遺産の全容を解明する作業を進めます。

プラスの財産の調査

プラスの財産には、以下のような項目が含まれます。

マイナスの財産(負債)の調査

遺産には借金などの負債も含まれるため、見落としなく調べることが重要です。

被相続人の遺品から借入金契約書、請求書、消費者金融のカードなどを探します。また、信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行協会)に対して開示請求を行うことで、金融機関やカード会社からの借入状況を客観的に把握することが可能です。個人の間の借入金や、他人の連帯保証人になっていないかについても注意深く探します。

財産目録の作成

抽出した財産と負債をすべてリスト化し、「財産目録」を作成します。

各財産の名称や所在地、金額などを整理して一覧にすることで、遺産の総額が一目で分かるようになります。財産目録があれば、相続人同士での話し合いがスムーズになり、遺産分割案の作成や相続税申告が必要かどうかの判断も容易になります。

相続財産調査を弁護士に依頼するメリット

預貯金の照会や名寄帳の取得などは、窓口ごとに異なる必要書類を提出しなければならず、平日に何回も手続きを行う負担がかかります。また、不動産が含まれている場合の評価額の算出は複雑で、知識のない方が適正な価格を把握するのは容易ではありません。

弁護士へ依頼することで、各機関への照会手続きをすべて一任できます。適正な評価額の算出を含めた正確な財産目録が手に入るため、後のトラブルを防ぎやすくなります。

相続調査を怠ると生じるトラブルとは

 

もし調査が不十分なまま手続きを進めてしまうと、次のような深刻な不利益や法律トラブルに直面するリスクが高まります。

  1. 遺産分割協議のやり直し 協議が終わった後に「実は異母兄弟がいた」などの事実が発覚した場合、協議自体が無効となり、最初から話し合いをやり直さなければなりません。
  2. 多額の借金の放置による不利益 借金の存在に気づかず放置したまま3ヶ月の熟慮期間が過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなり、本来払う必要のなかった他人の負債を代わりに背負うことになります。
  3. 相続税の申告漏れとペナルティ 見落としていた財産が後から見つかり、相続税の申告期限(10ヶ月以内)を過ぎてしまった場合、追徴課税(無申告加算税や延滞税)が課されるおそれがあります。

こうした問題を未然に防ぐためにも、初期段階での確実な調査が必要不可欠です。

よくある相談例

※以下は、よくあるご相談をもとにした架空のケースです。実際のご相談内容ではありません。

相談例1:戸籍の収集が途中で難航し、相続人を確定できないケース

父が亡くなり、不動産の名義変更のために自分で戸籍を集めていました。しかし、父は過去に転籍や改婚を繰り返しており、明治・大正時代の古い戸籍謄本になると手書きの文字が読めず、どこへ請求すればよいのか分からなくなってしまいました。 このようなケースでは、出生から死亡までのすべての戸籍を漏れなく解読し、隠れた相続人の有無を確認して相続関係説明図を作成する必要があります。 弁護士に相談することで、職務上請求を活用して全国から迅速に戸籍を取り寄せ、解読漏れのない正確な相続人調査を行うことができます。

相談例2:亡くなった親の負債(借金)の有無や全容が分からないケース

一人暮らしだった母が亡くなり、遺品を整理していたところ、見覚えのない金融機関からの案内状が出てきました。生前に借金があったのか、全体でどれくらいの負債が存在するのかが分からず、相続放棄をすべきか判断できずに困っていました。 このようなケースでは、相続開始を知った日から3ヶ月以内という限られた期間内に、信用情報機関への照会などを通じてマイナスの財産を正確に把握する必要があります。 弁護士に相談することで、迅速な財産調査を行い、期限内に「相続放棄」や「限定承認」などの適切な選択肢を提示できます。

相談例3:不動産や預貯金の全容が不明で、財産目録が作れないケース

遠方に住む叔父が亡くなり、甥である自分が相続人になりました。しかし、叔父がどの銀行に口座を持っていたのか、どの土地を所有していたのかなどの財産情報が一切分からず、話し合いを始めることができない状態でした。 このようなケースでは、金融機関への一括照会や名寄帳の取得、固定資産税の課税情報などの調査を通じて、プラスの財産とマイナスの財産を網羅した財産目録を作成する必要があります。 弁護士に相談することで、複雑な照会手続きをすべて一任でき、漏れのない正確な財産目録を迅速に作成できます。

相続でお悩みなら、まずは弁護士法人プレシャス総合法律会計事務所へご相談ください

当事務所では、相続手続きの準備段階である調査業務から、実際の遺産分割協議書の作成まで、一貫してお手伝いしております。

トリプル資格の弁護士が丁寧にサポート

当事務所の代表弁護士は、弁護士、税理士、不動産鑑定士という3つの専門資格を保持しております。

通常の相続では、法律問題は弁護士、税金は税理士、不動産の評価は不動産鑑定士というように、複数の専門家に個別に相談しなければならない場面が多々あります。しかし、当事務所ではワンストップで多角的なアプローチが可能です。

特に不動産が含まれる相続や、相続税が発生するケースにおいて、法律論だけでなく税務リスクや適正な不動産価値を踏まえた最適な助言をご提供いたします。各分野の窓口を一本化できるため、ご相談者様の費用面・時間面の負担も大幅に軽減されます。

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