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遺言書作成で押さえるべきポイントとは?自筆証書遺言・公正証書遺言の違いや選び方について解説

遺言書を作成することは、ご自身の人生の締めくくりとして、大切な家族へ送る最後の手紙のような側面を持っています。しかし、その手紙が法的に有効で、かつ家族の争いを防ぐ内容になっていなければ、かえって混乱を招く原因になりかねません。

本記事では、相続問題に精通した弁護士の視点から、遺言書作成で失敗しないための重要ポイントや、形式ごとのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

 

遺言書作成とは

遺言書とは、自分が亡くなった後に、自分の財産を誰に、どのように引き継がせたいかを指定する法的文書です。

遺言書の必要性について

なぜ、元気なうちに遺言書を書いておく必要があるのでしょうか。それは、遺言書がない場合、相続人全員による遺産分割協議が必要になるからです。

相続人全員の意見が一致しなければ、不動産の名義変更や預貯金の解約といった手続きは一切進みません。たとえ仲の良い家族であっても、具体的な金額を前にすると、それぞれの生活事情や過去の不満が噴出し、対立に発展することは決して珍しくありません。

特に以下のようなケースでは、遺言書の必要性が極めて高いといえます。

  • 子供がいない夫婦(配偶者と義兄弟の間でトラブルになりやすい)
  • 離婚・再婚歴があり、前妻・前夫との間に子供がいる
  • 特定の子に家業を継がせたい、あるいは介護で尽くしてくれた子に多く渡したい
  • 身寄りがない、あるいは特定の団体に寄付(遺贈)したい
  • 分けにくい財産(自宅不動産など)が資産の大部分を占めている

遺言書は、こうした争いを未然に防ぎ、スムーズな手続きを実現するための唯一無二の手段です。

 

遺言書で決められることとは

遺言書には法的な効力を持つ事項と、そうでない事項があります。法的な効力を持つ主な内容は以下の通りです。

  1. 財産の処分に関する事項:誰にどの財産をどれだけ与えるか(相続分の指定、遺贈)。
  2. 身分に関する事項:認知(婚姻外の子を自分の子と認めること)や、未成年後見人の指定。
  3. 相続の準備に関する事項:遺言執行者の指定(手続きをスムーズに進める担当者を決めること)、相続人の廃除。

また、法的な拘束力はありませんが、付言事項として、なぜこのような分け方にしたのかという家族への感謝や思いを書き残すことができます。このメッセージが、相続人の感情的な対立を和らげる大きな力を持つことも少なくありません。

 

遺言書の種類と特徴とは

日本の法律で認められている遺言書にはいくつか種類がありますが、実務で一般的に利用されるのは自筆証書遺言と公正証書遺言の2つです。

自筆証書遺言とは

ご自身で紙に内容を書き、署名・捺印をして作成する形式です。

  • メリット:費用がかからず、いつでも一人で作成できる点です。内容を秘密にすることも容易です。
  • デメリット:内容や形式に不備があると無効になるリスクがあります。また、紛失や改ざんの恐れがあり、死後に家庭裁判所での検認手続き(内容確認のための儀式)が必要です。

なお、法改正により、2019年からは財産目録についてはパソコンでの作成や通帳のコピーの添付が認められるようになりました。また、2020年からは法務局で遺言書を預かってくれる自筆証書遺言書保管制度も始まっており、紛失や検認の手間を省けるようになっています。

公正証書遺言とは

公証役場で公証人が作成する形式です。弁護士が最も推奨する方法でもあります。

  • メリット:公証人(元裁判官や検察官などの法律実務家)が関与するため、形式不備で無効になる心配がほとんどありません。原本が公証役場に保管されるため、偽造や紛失のリスクもゼロです。また、検認手続きが不要なため、死後すぐに手続きに入れます。
  • デメリット:公証人手数料(財産額に応じて数万円〜)がかかることと、2名の証人が立ち会う必要があることです。

比較項目

自筆証書遺言(保管制度利用なし)

公正証書遺言

作成費用

ほぼ無料

数万円〜(手数料)

形式不備のリスク

高い

極めて低い

証人の要否

不要

2名必要

家庭裁判所の検認

必要

不要

偽造・隠匿の防止

困難

万全

 

遺言書作成の流れについて

適切な遺言書を作成するためには、事前の準備が欠かせません。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 相続人の調査と特定:戸籍謄本を取り寄せ、誰が法的相続人になるのかを正確に把握します。
  2. 財産目録の作成:預貯金、不動産、有価証券、保険、骨董品、負債などをすべて洗い出し、リスト化します。特に不動産は、最新の登記簿謄本を確認することが重要です。
  3. 分割案の検討:誰に何を渡すか、自身の希望を整理します。この際、後述する遺留分への配慮が必要です。
  4. 遺言書の文案作成:専門家のアドバイスを受けながら、曖昧な表現を排除した正確な文案を作成します。
  5. 遺言書の完成:自筆の場合は清書し、公正証書の場合は公証役場で手続きを行います。

 

遺言書作成時の注意点とは

せっかく作成した遺言書がトラブルの種にならないよう、以下の点には特に注意してください。

遺留分(いりゅうぶん)への配慮

兄弟姉妹以外の法定相続人には、最低限受け取れる財産の割合が法律で保障されています。これを遺留分といいます。遺言の内容が特定の人物に偏りすぎて遺留分を侵害していると、亡くなった後に遺留分侵害額請求という紛争が発生する可能性があります。

曖昧な表現を避ける

例えば、自宅を長男に任せるという表現では、相続させるのか、管理を頼むだけなのかが判然としません。相続させるという明確な法律用語を使用し、不動産も登記簿上の表記通りに記載する必要があります。

遺言執行者の指定

遺言の内容を実現するためには、銀行解約や名義変更の手続きが必要です。相続人の一人が行うと他の相続人から疑念を抱かれることがあるため、公平な第三者である弁護士などを遺言執行者に指定しておくことで、死後の手続きが格段にスムーズになります。

遺言能力の確保

認知症が進んでから作成された遺言書は、後から無効であると主張される大きなリスクがあります。少しでも不安がある場合は、医師の診断書を取得した上で作成するなど、当時の判断能力を客観的に証明できる準備をしておくべきです。

 

遺言書の作成を検討されている方は、弁護士法人プレシャス総合法律会計事務所にご相談を

 

遺言書は、単に紙に書けば良いというものではありません。法律の要件を満たし、税制上の優遇を考慮し、かつ家族の心情に配慮した完成度が求められます。

弁護士法人プレシャス総合法律会計事務所では、相続問題の解決実績が豊富な弁護士が、お客様の置かれた状況を丁寧にヒアリングし、将来の紛争リスクを最小限に抑える遺言書の作成をトータルでサポートいたします。

当事務所にご相談いただくメリットは以下の通りです。

  • 紛争予防のプロ視点:もし争いになったらどうなるかという訴訟の知見があるからこそ、争わずに済む文案を作成できます。
  • 税務との連携:グループ内の税務知見を活かし、相続税負担を考慮した分割方法のアドバイスが可能です。
  • 遺言執行までの一貫支援:作成して終わりではなく、実際に相続が発生した際の執行者として、責任を持って最後まで財産をお守りします。

遺言書の準備は、残された方々があなたの思い出を大切にしながら平穏に暮らしていくための、最高のご配慮です。

迷いや不安がある方は、まずは一度、当事務所の無料相談をご利用ください。最適な形を共に作り上げましょう。

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